伊東達矢校長ブログ
2025.05.30
できた!
子どもの成長は早い。大人はよくそう感じます。
久しぶりに孫に会ったおじいさんは、きっと「大きくなったね」と言うでしょう。
小学校1年生と6年生、比べてみると、当たり前のことですが、精神的にも身体的にも大きく違います。
校長室に来室した子どもが名前を書くノートがあります。
来たら書かなくてはいけないというものではありません。
でもけっこうな数の子どもが書いてくれます。先だってうっかりノートを出しそびれていたところ、「わたし、名前を書きたい」とせがんできました。
1年生は、ゆっくり、一文字ずつ、大きな字のひらがなで。枠線など気にしません。
2年生になると、漢字で書きたい子や、アルファベットで綴ろうとする子もいます。
低学年の子にとって、自分の名前を書くことは、お絵かきとも落書きとも違う、ちゃんとした勉強なのでしょう。書き上げた自分の名前を満足そうに眺め、「先生、見て、見て」と言います。
3、4年生は、テストで名前を書く機会も多いのでしょう。慣れた手つきですらすら書きます。もちろん漢字です。
5、6年生ともなると、芸能人よろしく凝ったサインをしたがります。誰の名前なのかわからないので、下級生のお手本になるように書いてくださいとお願いするのですが。
このノートには子どもたちの成長の軌跡があります。書いた時々の子どもの様子が字に表れているようです。子どもたちが進級して見返したとき、あのころはこんなふうに字を書いていたんだなあと感じることでしょう。
子どもは、できなかったことができるようになる経験を、大人とは比較にならないぐらいたくさんしています。それも毎日のように。「できた!」という経験を一つずつ積み重ねていくことで、子どもたちは成長していきます。子どもたちが日々成長していく姿をそばで見ることができるのは、教師という職業の特権です。
子どもはいつも自分を理解してもらいたいと思っています。
自分が前よりも成長したことを知ってほしいのです。
できたことを自慢したくてたまりません。
そしてほめてほしいのです。
それは自分が初めて達成した喜びを共有したいからです。
大人にとって当たり前のことも、子どもにしてみれば大きな一歩です。
だから、子どもが「できた!」と言ってきたら、大人は「とてもよくできましたね」と言葉をかけましょう。
できなかったことができるようになるまでには、努力と苦労の積み重ねがありました。子どもによってできるようになるまでの時間に差もあります。うまくできない焦りと不安から、かんしゃくをおこしたり、声を上げて泣いたりすることもあります。けれどもそれも子どもたち一人一人が成長している証しなのです。


伊東 達矢
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