伊東達矢校長ブログ

2025.07.24

低学年の世界

 小学校1、2年生の教室では、パワーを炸裂させる子どもの姿を見ることができます。休み時間ともなれば、子どもたちは思い思いに動き回り、そこここからいろいろな声が聞こえてきます。
 「おにごっこしよう」「だめだよ、走っちゃ」
 「ねえ、聞いて」「それよりほら、これ見て」
 「こっち来てよ」「そっちじゃなくてあっち」
 したいことはめまぐるしく変わり、少しの間もじっとしていられず、思ったことを矢継ぎ早に口に出します。
 そうかと思えば、ざわめきの中で、マイペースでのんびりと過ごしている子もいます。
 泣き声が聞こえて駆けつければ、物を取り合っていたり、追いかけっこをして転んでいたり、消しゴムが見当たらないと訴えていたりします。
 子どもは自分の意のままにならないことに我慢ができません。意のままにならない相手が自分と同じ子どもならなおさらです。
 その上、低学年のうちは、自分の身に起きたことを伝える言葉を十分に持ち合わせていません。「どうしたの」と聞いても満足な受け答えを期待できないのです。
 「殴った」というのは、主客を換えれば「ちょっと触っただけ」になりますし、「何もしていないのにたたかれた」のは、「前にやられたから仕返しした」ということなのかもしれません。ぶつかった、転んだ、たたいた、なくなったなど、子どもの一言一言が何を意味しているか、教師たちはくみ取らなくてはいけません。
 また、子どもは、経験の少なさからひたすら主観的に世界を見ます。他者には自分と異なる思考があり、経験してきたことに違いがあるということに、思いが至らないのです。
 そういう年齢の子どもたちに、自分のしてきた経験以外に世界があることを教え、客観性を知って社会性を獲得できるようにすることが初等教育の務めです。もちろん1回で身につくことではありません。だから教師は、言葉を尽くして話すことの重要性と、言葉を豊かにする勉強の必要性を説きます。
 他者とどのような関係性を築いていくか、子どもたちの考えるきっかけは、毎日の教室に転がっています。

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