伊東達矢校長ブログ
2025.08.08
自己肯定感
朝日新聞に「わたしの敵はわたし? 自己肯定感と向き合う」という記事が連載されました。
子ども時代にほめられた経験が乏しいと、自分には愛される価値がないと思い、何に対しても自信を持てず、自分を肯定できなくなるという内容です。愛される価値のない自分を大切にするのは「気持ち悪い」としか思えず、自分に厳しくして学校の成績を上げ、他人への優越感で自己肯定感の低さにふたをする子どもの話が紹介されています。
ここには、自分に価値がないと思う一方で、他人からの評価を過度に気にするという矛盾した心理が表れています。
人は、ほめられたい、感謝されたい、認められたいと思うものです。
先日、3年生数人が「学活の時間に文句を言われた」と言いにきました。
聞けば、クラスでするレクリエーションについて「全員参加」を提案したところ、「えー、めんどうくさーい」というブーイングの声が上がったそうです。「せっかくクラスのために一生懸命考えたのに!」と、その子は頬をふくらませます。
「みんなは強制されたと思ったんじゃないですか」と言うと、「だってクラスのレクなんだから当たり前です!」と口を尖らせ、「じゃあ、どう言ったらいいんですか」と聞いてきます。
「そうですね。『みんなが参加してくれたら、提案したわたしはとってもうれしいです』と言うのはどうでしょう。『全員参加で』と言うから『いやだ』と言う人が出てきますが、『参加してくれたらうれしい』という気持ちには反対しづらいのではありませんか」と話しました。
提案した子はきっとみんなから感謝されたかったのです。感謝されれば自己肯定感も高まります。けれども、提案が通らなかったり、意見が対立したりするのはごく普通にあることです。そういうとき、腐らずに次の手を考えるのはまさに課題解決力を養うことであり、当人の成長につながるはずです。
「みんなのためになることだからやろう」と言うより、「みんなのことが大事だからやれたらうれしい」という思いを伝えるほうが受け入れられやすいように思います。大事な人たちのために、自分が何かできるのをうれしく思うのは自然な感情ですが、それを言葉にする機会はなかなかないものです。


伊東 達矢
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