伊東達矢校長ブログ

2022.05.30

目力(めぢから)

 マスクの着用について、政府から新たな指針が公表されました。
 厚生労働大臣は、これから気温や湿度が高くなり、マスクを着けていると熱中症のリスクが高まることから、学校でも、人と離れているとき、体育の授業、夏の登下校では外すよう求めました。体育は屋内でも屋外でも外せるとのことです。
 早速、テレビ局が体育の授業の取材に来ました。教師が「マスクを外したい人は外していいよ」と言うと、3分の1くらいの子どもたちが外しました。「外したら友だちの表情が見られて嬉しかった」という子もいれば、「感染が気になるから外さなかった」という子もいました。「運動して暑くなってきたから外した」と言って途中で外した子もいました。学校の考えを聞かれたわたしは、「子どもたちが自分で判断できるように指導している」と話しました。
 教師が子どもたちの様子に目配りをするのは当たり前です。政府の指針をお墨付きにしてマスクを着用するかどうか指示するわけではありません。むしろ、指示されないと行動できない子どもにしないことを、わたしたち教師は肝に銘じるべきです。
 マスクの着用が日常になって気づいたことがあります。
 それは「目力」です。
 登校してきた子どもたちに「おはようございます」と挨拶します。下校時には「さようなら。ごきげんよう」と声をかけます。そのとき必ず一人一人の目を見て言うようにしています。子どもたちの反応はとても正直です。見つめ返してきます。特に低学年のお友だちは、ぐっと身を乗り出し、マスクを着けた顔で迫ってきます。顔全体の表情は見えなくても、目と目もとにその子の気持ちが見て取れます。高学年になると目を逸らして声だけ挨拶をするお友だちもいますが、そういう子も日が経つにつれて視線を向けてくれるようになります。
 誰だって自分を見てほしいのです。気にかけてほしいのです。時には放っておいてほしいこともあるでしょう。でもそんな様子の子どもを見たときも、「どうしたの」と根掘り葉掘り聞くことはしないで、いつも通り、目を見て挨拶の声をかけています。
 いらついていたり、怒っていたりする人は放置しておくのが賢明な大人の対応かもしれません。でも子どもたちには、いつもと変わらない対応をすることが心の安定をもたらすことも少なくありません。けがをしたり、苦しんだりしているのでないかぎり、機嫌をうかがうような対応をするのはかえってよくないと思います。
 関東には「ガン飛ばす」、関西には「メンチ切る」という言葉があります。目の表情や視線が相手に強い印象を与える証拠です。アイ・コンタクトは日本ではトラブルの元になることもありますが、コロナ禍でマスクを着けることが日常になって、改めて目力の大切さを感じるようになりました。
 「目と目で通じ合う そういう仲になりたい」と歌ったのは、現在は木村拓哉夫人となった工藤静香さんでした(「MUGO・ん…色っぽい」1988年リリース)。いつの時代も目の力で通じ合おうとするのが人の本心なのでしょう。

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