伊東達矢校長ブログ

2024.01.29

「この本、読んで」

 わたしたちは、初めて会う人からこんなことを読み取ろうとします。
 ・頭がいいか(知性)
 ・誠実か(信頼性)
 ・明るいか(外向性)
 ・いっしょにやっていけるか(協調性)
 ・情緒が落ち着いているか(安定性)
 頭がいいというのは、知的好奇心があることです。必ずしも勉強ができることを意味しません。入学や入社の面接試験でも念頭に置かれることでしょう。
 1年生の女の子が校長室にある本を手に取り、「読んでください」と言いにきました。本は「二人の若い紳士が」で始まる宮沢賢治の『注文の多い料理店』、漢字が多くて読めないと言います(ルビは振ってありますが)。
 10分あまりの中休みの校長室には、ほかにも子どもたちがいてけっこう騒がしく、その子も気を取られている様子です。けれどもわたしはかまわず、声に出して読み始めました。
 チャイムが鳴り、「続きはあしたね」と伝えました。
 翌日もやってきて続きをせがみます。この日もほかの子のしていることが気になっているようでした。
 何日かして「もうもとのとおりになおりませんでした」という最後の一文を読み終え、「どうだった? けっこう怖い話だったでしょう」と聞いてみました。
 するとその子は、「読んだことあるから知ってたよ」。
 わたしが「え、読んだことあるの」とおうむ返しに言うと、「うん!」とうなずき、「この後の別のお話も読んで」と催促するのです。
 てっきり読んだことがないから読んでほしいのだと思っていたわたしは、少々面食らいました。でも考えてみると、その子は自分の知的好奇心を満たしたかったのではないでしょうか。そしてわたしが応えてくれるか、試したのかもしれません。つまり、この校長は信頼できるのか考えたのです。その子がほかの子に気を取られている様子に、「周りがうるさいし、気も散るから」と言って読むのをやめていたらどうだったでしょう。「読んでください」と頼んだその子の信頼に応えなかったことになります。
 口に出さなくても、子どもは大人が自分の気持ちにどれだけ誠実に接するか、無意識のうちに確かめています。子どもだからといって適当にあしらってはいけません。知的好奇心をもち、誠実に、明るく、いっしょに、落ち着いて、子どもたちと付き合っていきます。

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