伊東達矢校長ブログ

2024.06.17

叱るのか褒めるのか

 Z世代という言葉があります。1996~2012年生まれの若者で、消費行動や将来設計が従来と異なると言われます。「打たれ弱い」ので、叱るとすぐに折れてしまうから褒めて伸ばなさなくていけないという話も聞きます。打たれ強いことが本当によいのかどうかは別として、世代論というのはとかく枠にはめたがるものです。
 子どもを叱ったり褒めたりすることは、教師の日常の仕事としてあります。叱らなくてはいけないときに叱らないと、子どもは物事を甘く見るようになります。また、褒めるべきときに褒めないと、子どもは自己肯定感を得られず、前向きになれません。だから教師は学校生活における子どもの様子をつぶさに観察し、叱るべきとき、褒めるべきときを見極めます。学校の教師にとって、教科を教えることと同じくらい大事な仕事です。
 叱るのと褒めるのとどちらがいいかという二元論はいただけませんが、性格的に叱るのが苦手という教師はいます。逆にほとんど子どもを褒めないという教師もいます。
 わたし自身は叱るのが苦手です。子どもの心身に危険が及ぶようなときは本気で叱りますが、そうでない場合は叱責するより、困った感を表に出すのが精一杯です。「そう言われると/そうされると弱りますね」という感じでしょうか。
 かつては怒りにまかせて叱ったこともありましたが、最近は怒りという感情で叱責することはしません。怒りは相手に憎しみをもたらすだけで、反省を促すことにならないと知ったからです。
 叱られた経験といえばわたしは人後に落ちない自信があります。叱ってくれるのは自分の成長を考えてのことだと捉えると、叱られるのをありがたく感じます。叱られる人には伸びしろがあると考えるのです。
 褒めるのも簡単ではありません。うわべだけの褒め言葉はすぐにわかってしまいます。褒めるときは、その場で、具体的に褒めることが大事です。
 子どもたちが廊下を走っています。上履きのかかとを踏んでいます。危ないのでわたしは声をかけます。「ご安全に! どうか走らないで。かかとを踏まないで」。
 たいていの子は走るのをやめ、上履きをちゃんと履きます。すかさず、「ご協力くださってありがとうございます。見上げたものです」と言います。その子はちょっと照れた表情を見せます。
 わたしにとって、このときの前の声かけは叱ったもの、後のは褒めたものです。
 褒められたときの子どもの笑顔を知っているから、叱られているときの泣き出しそうな顔を受け入れることができます。
 子どもを叱ったり褒めたりするのは、教師にとっては仕事ですが、親にとっては愛情によるものでなくてはいけません。どうか心を込めて叱り、褒めてください。

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