伊東達矢校長ブログ

2022.10.06

余裕

 余裕とは、「時間に余裕がある」「経済的に余裕がある」「まだ席に余裕がある」のように、必要以上に余りがあることや、限度までに空きがあることを言います。また、「余裕しゃくしゃくの態度」「周りに気を配る余裕を持つ」「余裕のよっちゃん」のようにゆったりと落ち着き、あせらず気楽な様子にも使われます。

余裕はゆとりとも言えます。人口に膾炙した言葉に「ゆとり教育」があります。文部科学省は使っていませんが、一般には、各教科の学習量および授業時間数の軽減が注目された2002年度施行の学習指導要領による教育のことを指すようです。教科書が薄くなる一方、思考力を身につけるための「調べ学習」などが導入されました(この教育を受けた人たちはいま1935歳、「ゆとり世代」と呼ばれます)。

その後、国際学力テストで順位を落としたこともあり、「ゆとり教育」に批判が起こりました。2011年度施行の学習指導要領には、「確かな学力」「生きる力」が記され、さらに2022年度施行の学習指導要領には、「主体的・対話的で深い学び」(いわゆる「アクティブラーニング」)と「カリキュラム・マネジメント」という文言が現れ、「思考力、判断力、表現力」が強調されました。文科省はゆとりでも詰め込みでもないとしていますが、一般には「脱ゆとり教育」に舵を切ったと見なされています。不易流行と言いますか、右顧左眄と言いますか、教育の方針を定めることの難しさを感じます。

いまの時代、子どもたちに余裕はあるでしょうか。わたしの見る限り、子どもたちは学校の勉強や行事だけでなく、習い事やお手伝い、宿題やゲームに、毎日せわしなく過ごしています。子どもたちが一生懸命に頑張っている姿はとても感動的です。ただ、子どもたちに余裕がなさそうなのは気になります。「疲れた」と口にする子どもがめっきり増えました。社会が情報化し、多様化する中で、大人も子どもも時間と予定に追われ、仕事や勉強に忙殺される日々を送っています。

目的地に向かうときには最短ルートを検索し、物を買うときには比較サイトで最安値を見つける。無駄なく効率的で、最小限の努力で最大限の効果をあげる。そんな合理性を誰もが追求するようになりました。そういう生き方が当たり前で、それがいまの世の中での「生きる力」なのかもしれません。迂遠な行動は許されないのです。

前期の終業式と後期の始業式で、「澄んだ秋の空を見上げてみましょう。天高く流れる雲を見つけてください」と話しました。毎日いっしょに過ごしているとなかなか気づけないことですが、春に出会った子どもたちは、秋になったいま、身体的にも精神的にも大きく成長しているのでした。満足に自分の気持ちを伝えられず地団駄を踏んでいた子が、起きたことを自分の言葉で説明できるようになりました。背伸びをしてもホワイトボードの上の方の文字を消せなかった子が、苦もなく届く背丈になっていました。事あるごとに友だちとぶつかってばかりだった子が、気持ちを抑えて距離を取ることを覚えました。

わたしたちの日常はどんどん過ぎていきます。そんな中、時折立ち止まり、たとえば空を眺めるような時間を持ち、少しずつ大きくなっていく子どもたちの変化を見守る余裕を持ちたいものです。

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