伊東達矢校長ブログ
2022.09.24
し・か・ら・れ・た
子どものころ、家でも学校でもよくしかられました。
新しい靴でわざと水たまりに入る。
下敷きに光を集めて人の顔を照らしてまぶしがらせる。
教室で「あした天気になあれ」と上履きを飛ばしてガラスを割る。
どれも好奇心を抑えきれずにしたことですが、靴を台無しにしても、まぶしいからやめてと言われても、ガラスを割ったことをとがめられても、また同じようなことをしてしまうのが問題です。「何度言ったらわかるの」としかられます。「しーかられた、しかられた」とはやされるのもしょっちゅうでした。
大人になればきっとしかられなくなると思っていました。けれどもそうはいきません。いまでも、「思ったことをすぐ口に出すのはやめなさい」「トイレの電気を点けっぱなしにしないように」「安いからといって無駄な物まで買わない」などと言われます。
子どもたちに、最近どんなことでしかられたか、聞いてみました。すると次から次へ、「しかられた話」が出てきました。
「勉強でわからないことをお母さんに尋ねたら、『聞き方が悪い』としかられた」(4年生女子)。「寝室へ行くとき下の部屋の電気を消さなかったら、お姉さんとお母さんに怒られた」(1年生女子)。「水道で手を洗っていたら、クラスの女子に『あんた、水出しすぎ』と怒られた」(5年生男子)。「歯磨きをしていた子を『もう掃除の時間だよ』と机を押して泣かせてしまい、先生に『謝りなさい』って叱られた」(1年生女子)。「毎朝、『早く学校に行く準備をしなさい』って怒られる。ママが準備してほしい」(1年生女子)、「テレビを見ながらお菓子を食べていてしかられる」(1年生女子)、「友だちにポケモンのことばかり言っていたら、『もうポケモンの話はいい』って怒られた」(3年生女子)。「修学旅行中の夕食前、『静かにできないなら食堂へ来るな』と先生に言われたので行かなかったら、『なんで来ないんだ』と怒られた」(6年生男子)、「昼休みに遊びに行こうとしたら、『まだ掃除終わってないよ』とみんなに言われ、面倒くさかったけれど掃除した」(3年生女子)。「夜更かししていたら弟が眠ってしまい、床に寝かせておいたらお母さんにしかられた」(3年生女子)。「勉強をちゃんとやった後に居間でゲームをしていたら、まだ1時間もたっていないのにお母さんに『やりすぎ』って怒られた」(5年生男子)。
なるほど、子どもはしかられる毎日を過ごしているのです。かわいそうな気もしますが、しかるというのは相手の成長を願ってすることだと発想を転換すれば、ありがたいと思えてきます。しかるのはむずかしい。怒りにまかせて怒鳴るのは、相手をおびえさせこそすれ、しかってくれたことへの感謝にはつながらないでしょう。わたしはしかられるのは得意(?)ですが、しかるにはどうも気が引けてしまいます。そこで、しかられるというのは伸びしろがあるからだと考え、まだ成長する余地があるのだと自分に言い聞かせるようにしています。しかられている子どもたちにもそう伝えたいと思います。
伊東 達矢
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