伊東達矢校長ブログ
2026.09.18
冒険
子どもは、大人からするとしなくてもいいこと、危なっかしいことをしたがります。
回っている扇風機に箸を突っ込みたい。
マカロニをフォークの先に差し込みたい。
ベランダからミニカーを落としたい。
ブロック塀の上を歩きたい。
細いすきまに入りたい。
高いところに登りたい。
水たまりに足を踏み入れたい。
床のタイルに合わせてスキップしたい。
階段を三段飛ばしで駆け上がりたい。
子どもにはまだ知らない世界がたくさんあり、自分がしたことで事態がどうなるかを見極めたい気持ちが強いのでしょう。
いつの時代にも冒険は子どもの心をとらえて放しません。
冒険には非日常性と危険性がつきものです。リスクを背負いながら冒険してみると、やはり失敗することが多いものですが、まれには成功することもあります。
そういう経験の積み重ねが決断する力を養います。
あらかじめリスクを回避すれば、失敗はしないでしょう。でも、大人がいつも転ばぬ先の杖を差し出していると、子どもは冒険をする機会を奪われ、失敗や挫折を経験することができません。失敗や挫折などしないにこしたことはないと思われるかもしれませんが、失敗や挫折をするからこそ成功や克服を得られることを、わたしたちは知っているはずです。
決めるのを人任せにすれば、自分はどうするかを考えなくてすみますから、ある意味で楽に違いありません。けれども、決断を人任せにしてばかりいると、指示されるのを待つようになります。
自分で決めるには勇気がいります。
子どもの「これがやりたい」という情熱を、大人は「危ないから」「難しいから」という理由でなんでも抑え込まないことです。リスクを踏まえた上で、子どもに冒険するチャンスを提供する必要があります。それは子どもに勇気を与えることでもあります。
集団活動が基本の学校では、子どもたちの心身の安全が最優先です。廊下は走ってはいけないし、階段は一段ずつ上らなくてはいけません。危ないことをしないよう、規律を指導することになります。出前授業や学校行事で非日常の冒険を経験する機会はあっても、危険性の伴う冒険はなかなかできません。
でも、家庭でならもっと様々な冒険ができます。
補助車輪なしで自転車に乗ってみる。包丁で果物の皮をむく。キャンプで火おこしをする。夜の散歩に(親と)行く。ふだんしないことであれば、多少危なっかしくても、子どもの冒険を見守ることで、その成長を促すことができるのではないでしょうか。

伊東 達矢
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