伊東達矢校長ブログ
2026.09.24
褒め方
子どもをやる気にさせるにはどうしたらいいでしょうか。
よく言われるのは褒めることです。
でも褒め方には注意が必要です。
コロンビア大学のミューラーとデュエックは、褒め方が子どものモチベーションにどんな影響を与えるかという実験を行い、1998年にその結果を発表しています。
5年生の子ども約400人に知能テストを解かせます。
テスト後、成績にかかわらず全員に「80点でした。よくできましたね」と伝えた上で、子どもたちを3つのグループに分けて異なる追加の褒め言葉をかけました。
グループ1には「頭がいいね」、グループ2には「よく頑張ったね」。それらと比較するためのグループ3には追加の褒め言葉をかけませんでした。
続いて子どもたちに「簡単なテスト」と「難しいテスト」を選ばせました。
すると、「頭がいいね」と褒められた子の70%が簡単なテストを選んだ一方、「頑張ったね」と褒められた子の90%が「難しいテスト」に挑みました。ちなみに褒め言葉を追加しなかった子の選び方は半々でした。
さらに全員に「非常に難しいテスト」を出題し、続きを家に持ち帰って解く気があるか尋ねました。
「頭がいいね」と褒められた子は、家へ持ち帰る割合が少なかっただけでなく、自分の点数を実際よりも上乗せしてみんなの前で発表した子が4割もいました(何も言われなかった子でウソをついたのは1割)。
最後に1回目と同じ難易度のテストを解かせたところ、「頭がいいね」と褒められた子は自信をなくし、最初の時よりも成績が20%下がりましたが、「頑張ったね」と褒められた子はモチベーションが上がり、成績が30%も向上したのです。
「頭がいい」という才能を褒められた子は、自分は頭がいいはずだと思って必要な努力を怠り、失敗を恐れるあまり、確実にできることばかり選択するようになります。周囲の評価を維持するためにウソをつくことにも抵抗を覚えなくなります。
もちろん、天賦の才能を持ち、努力することなく難しいテストを解ける「頭のいい」子もいます。そしてその能力をさらに引き出すことにも価値はあります。けれども、そういう子は「頭がいい」と褒められたからといって、モチベーションが下がったり、上がったりすることはそもそもないでしょう。
子どもたちの努力を褒めることが大切です。
細かなことでも、大人にとっては何でもないことでも、具体的に褒めます。
他者と比べることなく、その子自身の変化の過程に着目して褒めます。
うまくできたときは、「努力したかいがあったね」の一言をかけます。
うまくできなかったときも、「よく頑張ったね」の一言をかけます。
これらの一言一言は、子どもたちが失敗を前向きに捉え、困難な課題を回避せず、果敢に挑戦しようとする冒険心につながります。

伊東 達矢
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